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  • 『神戸移住センターから見た日本とブラジル』

    神戸の加藤喜遵師が、とっても嬉しいニュースを教えてくださいました。

    先日まで京都佛立ミュージアムで開催していた「ブラジルと仏教展」やその内容が、ブラジル関連の書籍に紹介されているとのことでした。

    ありがたい。

    全く知りませんでした。

    しかし、「ブラジルと仏教展」の開催から間もなく、神戸の日伯協会の理事であられた黒田公男さまが来館くださり、カメラを手に、長い時間をかけてゆっくりと観覧くださっていたのでした。

    ちょうど私もお会いすることが出来て、お話をさせていただきました。

    その時、「現在日本とブラジルの移民史について執筆中で、是非ここに紹介されたような史実を盛り込みたい」と仰ってくださっていました。

    私も、神戸新聞をはじめ、ブラジルのサンパウロ新聞、ニッケイ新聞などに紹介された黒田さんの本の記事を見て、あらためて思い出しました。

    元記者の方だったのですね。

    本当に、ありがたい。

    すごく貴重な本です。

    この御本の中の、第10章が「笠戸丸移民のお坊さん」というタイトルで、冒頭から「第1回船で僧侶が移住していた」という見出しから文章を書いてくださっているのです。

    次の見出しが「ブラジルでの仏教布教のさきがけ」で、京都佛立ミュージアムの「ブラジルと仏教展」についても触れてくださっていました。

    「功徳は堅牢」と教えていただきます。

    その時々には、必ずしも結果が得られないことがあります。

    認めてももらえないこと。

    誉めてももらえないこと。

    むしろ、理解してもらえずいること。

    反感や反発まであったり。

    でも、いいことは良く、悪いことは悪く、必ず結果が現れる、というのです。

    確かに、何事も、すぐに芽が出ないことがあります。

    花の咲くことなんて、ずっとずっと後のこと。

    それでも、あきらめずに、くじけずに、泣きながらでもいいことをしてゆく。

    その種まきが、仏教の説くところです。

    「功徳は堅牢」という言葉は、その時は芽も見えない、花も見えないけれど、あなたが積んだ善い行いは、功徳となって、永遠にあなたから離れない、いつか必ずいい報いとして戻って来るよ、功徳は水にも漂わないし、火にも焼かれない、絶対に失われずに、あなたにあるよ、と教えてくださいます。

    日水上人のご生涯、ご奉公、ブラジルのみなさん、日博上人のご奉公も、その時々には分からなくても、こうして光が当たり、伝えてくださるものなのだと思います。

    ありがたいな。

    龍馬の図録にしても、賢治さんにしても、ブラジルのことにしても、全部同じ気持ちです。

    光を当ててゆくのですね。

    こうして、黒田理事に書いていただき、光栄至極であり、第1回笠戸丸移民の僧侶、日水上人に対し奉り、一分のご報恩になったかと思えばさらに感慨ひとしおです。

    しっかりと読ませていただきたいと思います。

    ・ニッケイ新聞
    「神戸移住センターから見た移民史=日伯協会の黒田理事著す」
    「ブラジル日本移民に焦点を当てた著書『神戸移住センターから見た日本とブラジル』(黒田公男著、221ページ、神戸新聞総合出版センター)が今月、日本で発売された。来年は外交樹立120周年を迎えるが、日系移民の歴史は1908年、神戸港を発った笠戸丸から始まった。

     送り出した側の国立移民収容所(その後、神戸移住センター)に所在する「日伯協会」の事務局長や理事として、機関紙発行や展示会の開催を主導してきた著者ならではの、深い知識に本書は裏付けられている。

     たとえば65頁からは、1939年に杉浦千畝領事代理が在リトアニア領事館で、ドイツ軍に追われたユダヤ人数千人に人道的なビザを発給した際も、同センターやその付近に一時避難したとの説を紹介している。

     ここから希望を胸に旅立った移住者たちが苦難と努力の末見出したものは――を考えさせる一冊だ。第1回芥川賞受賞作の小説『蒼氓』はまさにこの建物を舞台に、物語が進む。当時、まったく無名だった石川達三も移民の群れに紛れて渡伯し、幸運の女神を呼び込んで小説家となった。

     元神戸新聞記者の黒田さんには、移住史関連の著書に『アローブラジル』(76年、私家版)、『ブラジルへの虹』(95年、六甲出版)もある。購入は各日系書店から問い合わせを。」

    ・サンパウロ新聞
    「神戸移住センターから見た日本とブラジル=神戸日伯協会の黒田公男氏が上梓=」
    「兵庫県神戸市にある(財)日伯協会理事で、神戸新聞編集委員でもあった黒田公男さん(82、兵庫)がこのほど、「神戸移住センターから見た日本とブラジル」(神戸新聞総合出版センター)を上梓した。

     同書は日伯修好120周年を記念し、「移住の歴史を物語る移住センターの全容とそこから見えてきた移住者の姿、その後の日系ブラジル人の来し方を投影しながら、平易に両国の関係を迫った」(プロローグ)もの。

     1928年に設立された国立移民収容所は、神戸移住教養所、外務省神戸移住斡旋(あっせん)所、神戸移住センターと時代の流れに応じて名称を変更。2009年には「海外移住と文化の交流センター」と総合的な国際センターの役割を果たし、その内部には「海外移住ミュージアム」も開設されている。

     黒田氏は、ブラジル移住の開始、日伯協会の誕生、戦前移住、戦後移住の再開、ブラジルの多文化共生、移民船による海外移住など11の章で同書を構成。「歴史書としては荒っぽいものだが、知っておきたいこと、知っていて役立つ内容をピックアップして、歴史の深み、厚みの一端を取り上げた」とエピローグでつづっている。

     定価2500円(税別)。購入希望者は最寄りの日系書店で取り寄せのこと。」

    ・神戸新聞
    「神戸から見た「日本とブラジル」 移住の歴史を一冊に」

    「日本とブラジルの国交樹立から今年で120年を迎えたことを記念し、日伯協会(事務局・神戸市中央区)の黒田公男理事(82)が著書「神戸移住センターから見た日本とブラジル」を神戸新聞総合出版センターから発行した。神戸港からは約25万人のブラジル移住者が海を渡った。当時の街の様子や渡航した人たちの現地の暮らしなどを伝えている。
     黒田さんは元神戸新聞記者。現役記者時代を含め、約半世紀に渡って移住の研究を進めてきた。移住者の資料を紹介する「海外移住と文化の交流センター」(同市中央区)では案内ボランティアも務めているが、「移住者の歴史自体が忘れられている」と感じ、一冊の本にまとめることにした。

    長松館長ブログより転載

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