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  • 産業新潮さまにご掲載いただきました。

    ミュージアムブログをご覧の皆さん
    こんにちわ。スタッフのあっこです。

    以下館長のブログです。
    このように取り上げていただいて
    スタッフ一同、感激しています。
    今後も企画運営に励んでいこうと思います。



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    『産業新潮』という月刊誌の1月号に、京都佛立ミュージアムが掲載されました。


    恐縮至極です(涙)。

    広告ではないんです(汗)。

    もう、こんなに素晴らしい記事を書いていただいていいのかと、本当に感激いたしました。

    私たちが書いた文章を載せていただいたわけではなく、ここまで丁寧に取材していただき、京都佛立ミュージアムや本門佛立宗、開導聖人、幕末・維新の仏教改革者 長松清風について書いてくださったことは、本当に光栄で、有難いのです。

    ここまで来たんだなー、という気持ちで、胸がいっぱいになりました。

    ご一読いただければと思います-。

    =====

    京都佛立ミュージアム

    京都の街中にあって
    現代の生活と心に根差して
    生きた仏教に出会う美術館

    伽藍、庭園、仏像ではなく
    幕末の仏教改革者の精神を

     昨年秋の観光シーズンの京都の賑わいはたいへんなものだった。例年にも増してと思わせるほど、京都駅はごった返し、市中は人混みがあった。国内からの観光客はもとより、海外からの訪問者が増加しているのであろう。

     もっとも、晩秋の冷え込みが不足で、紅葉も例年の美しさを見ることができないとのことだった。とはいえ、観光客の多くは古都を満喫したことだろう。

     さらに「文化首都」を標榜する京都市では、自然や歴史だけではなく、京都の文化・芸術をさらに知ってもらおうという取組みも生まれている。それが文化庁を京都市に誘致しようという動きである。

     たしかに、東京の一極集中をあらため、政府機関の地方移転は、現在の趨勢である。しかも、京都にはいうまでもなく、歴史があり文化財も多くあって、東京オリンピックを控えて日本文化の発信を担う役割を果たすことは意義あることであろう。

     新しい年を迎えてまず紹介する京都佛立ミュージアムは、その名のとおり、仏教の活動に根差している美術館だが、京都の寺院が運営する美術館としては異質である。

     北野天満宮のすぐ近くで、南側の路地を入ったところ。民家が立ち並ぶ街路に、開けた一郭がある。本美術館は、その地に3年半前にオープンしたばかりである。

    「京都の都 京都の町で 生きた仏教に出会う」が、美術館としてのキャッチフレーズで、それが美術館としての目的や特長をよく表していよう。

     本美術館が明言していることは、国宝級の仏像や絵画を所有していないということであり、京都の古刹に期待するような庭園や伽藍を見ることはできません、ということである。

     そこで、「生きた仏教に出会う」ことを目指している、というのが本美術館の基本的な考えであり姿勢である。

     本美術館は本門佛立宗を母体にしている。東京では馴染みが薄い仏教宗派だが、幕末の京都で活動した僧侶、長松清風を開祖としている。日蓮を祖師として、その教えを伝える本門法華宗で出家後、形骸化した仏教にあきたらず、当初は在家信徒のみで本門佛立講を開いた。

     清風は、仏教を民衆の手に取り戻し、衆生救済という仏教本来の使命を果たそうとすることで「幕末・維新の仏教改革者」と呼ばれたという。戦後すぐに、独立して本門佛立宗となっているが、その後、清風の精神を脈々と受け継いできている。

     したがって、本美術館も「生きた仏教」を体現する美術館として2012年7月に開館された。とはいえ、決して宗派の教えを展示するのではなく、混迷する現代に光を当てる展覧会の開催をめざしている。


    地域に生きる施設で
    多様な企画展示を目指す

     美術館があるところはもともと本門佛立宗の事務庁舎であったが、耐震性の確保する建替えを検討中に東日本大震災が起こった。それだけに、建物を非常緊急時には地域の人たちの避難施設になるように配慮し、平時には地域の交流の場ともなり、仏教の教えやメッセージを伝える施設にしようという構想でまとまった。

     モダンデザインで明るい印象の建物で、1階を美術館として、2・3階以上を事務庁舎や会議室としている。

     展示室はワンフロアでおよそ210平方メートルの広さがある。そのうち4分の1強を常設展示にあて、清風の思想や言葉を遺品とともに伝えている。

     残りが企画展示スペースとして活用されている。もともと、展示室には固定した壁はなく、展示テーマによって展示レイアウトや展示形態をフレシキブルに設定でき、多様な展示に対応する構造になっている。

     現在、企画展示として、昨年来、終戦70年特別展示として「トランクの中の日本 戦争、平和、そして佛教」が開催されている(1月31日まで)。

     戦後すぐに、占領軍のカメラマンとして来日した米軍兵士ジョー・オダネルが記録した写真の展示である。オダネルは私用カメラで撮影したネガを、トランクに入れたまま封印していたが、43年後に平和への願いとともに開いて、1990年にアメリカで写真展を行った。

     その後、日本でも写真展が開催され、写真集『トランクの中の日本』として刊行されている(小学館発行)。

     本美術館でも、終戦70年の年に、仏教の視点を加えて、平和を考える契機とすべく企画展として本展覧会を開催したという。たしかに、「焼き場にて」と題された少年の写真は、写真のもつ記録の力とともに、戦争の悲惨さを抑え込んだような少年の表情に、日本人本来の特性や精神性を見出ださずにはいられない。

     これまでの企画展示としては、「俗画さとし絵展」に始まり、「坂本龍馬と仏教展」、「宮沢賢治と法華経展」、「ハチドリのひとしずく展」、「ブラジルと仏教展」など、生きることへの祈りに通じる世界を、仏教がめざす世界と重ねて行われているようだ。

     また、21世紀の寺子屋を目指して、生涯学習支援プログラム「テラコヤスコラ」を開講している(不定期・要申込)。“生きるを学ぶ“をコンセプトにさまざまな分野の講師を招き、仏教の視点も加え、楽しく社会を見つめ直す講義である。

    「躍動する仏教のミュージアム」を謳い、心豊かな世界への扉を開こうとしている。現代と未来の世界が真に求めるものは何か、それを問うことで生まれるメッセージが発せられることを期待したい。

     古都の街中にあって、現代に生きる貴重なミュージアムである。

    住  所:
    京都府京都市上京区御前通一条上ル東堅町110
    電  話:
    075−288−3344
    開館時間:平日は
    午前10時~午後4時 土・日曜・祝日は午前10時~午後5時

    休館日:月曜日、展示替え期間
    入場料:無料
    交  通:京福電鉄北野白梅町駅下車徒歩5分、JR円町駅より徒歩15分、JR京都駅、地下鉄二条駅、京阪三条駅、阪急大宮駅、阪急西院駅の各駅より市バス北野天満宮前駅下車徒歩2分

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