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    トランクの中の日本~戦争、平和、そして佛教~

    この少年が死んでしまった弟をつれて焼き場にやってきたとき、私は初めて軍隊の影響がこんな幼い子供にまで及んでいることを知った。アメリカの少年はとてもこんなことはできないだろう。直立不動の姿勢で、何の感情も見せず、涙も流さなかった。そばに行ってなぐさめてやりたいと思ったが、それもできなかった。もし私がそうすれば、彼の苦痛と悲しみを必死でこらえている力をくずしてしまうだろう。私はなす術もなく、立ちつくしていた。
     
     [ジョー・オダネル]
     
     
    2018年6月9日—2018年10月8日
     
    京都佛立ミュージアム 入場無料  平日 10時—16時  土日祝 10時—17時
    休館 月曜日 (※但し、月曜日が祝祭日及び25日のときは開館、翌日代休。)
     
    主催 京都佛立ミュージアム
     
    京都市上京区御前通一条上ル東竪町110
    京福電鉄 北野白梅町駅より徒歩5分/JR円町駅より徒歩15分
    阪急 西院駅よりバス/東西線 西大路御池駅よりバス
     
    協賛 本門佛立宗
    後援 京都府、京都府教育委員会、京都市、京都市教育委員会、京都新聞、
       KBS京都、FMラジオαステーション
    協力 小学館、KIMIKO O’DONNELL、駐日サンマリノ共和国大使館、大原哲夫編集室、
       林風舍、ジャヤワルダナ家、J.R.ジャヤワルダナセンター、広島平和記念資料館、
       長崎原爆資料館、立命館国際平和ミュージアム(順不同)
     
    京都佛立ミュージアム
     

    ジョー・オダネル
    Joe O’Donnell
     
     1922年5月、アメリカ・ペンシルバニア州ジョンズタウン生まれ。
    1941年6月、ペンシルバニア州ジョンズタウン・ハイスクール卒業後、ジョンズタウン・デイリー・トリビューン社で暗室係として働き、その年の12月にアメリカ合衆国海兵隊に志願する。
     1942年2月より従軍カメラマンとして、ボストンのマサチューセッツ工科大学などで現像の技術を学び、フロリダ州ペンサコーラをはじめ、国内で航空写真撮影の訓練を受ける。
     1945年9月、占領軍のカメラマンとして広島・長崎その他、空爆による日本の都市の被災状況を記録する任務を与えられ、終戦直後の日本へ上陸した。
     その後、7ヵ月間、軍の記録写真とするために広島・長崎など焦土と化した日本各地を撮影した。
     1946年3月、帰国し除隊。私用カメラで撮影したフィルムを自宅へ持ち帰り、その見るにたえない悲惨な写真をトランクにしまう。
     1995年夏にスミソニアン博物館で企画されていた写真展は、アメリカ国内の在郷軍人の声、マスコミの論調などによってエノラ・ゲイ以外の展示が中止に追い込まれる。
     2007年8月9日、くしくも長崎の原爆投下の日、アメリカのテネシー州ナッシュビルで86歳の生涯を閉じる。同年8月長崎の原水爆禁止世界大会で同写真展が開催される。長崎原爆資料館に「焼き場に立つ少年」の写真が寄贈される。
     
     
     あの日から半世紀、私はついにあのいまわしい記憶の詰まった
    トランクを開けた・・・・・・・。
    Half century later, I finally unlocked the old trunk packed with haunting recollections.
     
     
    1945年、若き米軍兵士ジョー・オダネルは、ヒロシマ、ナガサキなど、焦土の日本を
    個人のカメラによって撮影しました。帰国後、彼は戦争の忌まわしい記憶とともに
    300枚のネガをトランクの中に入れ、封印したのでした。
    「生きてゆくために、すべてを忘れてしまいたかった」
    しかし、43年後、世界各地で絶え間なく続く紛争やテロ、そして再び核兵器による
    戦争が繰り返されようとする中、
    「あの体験を語り伝えなければならない。」
    と決意し、トランクを開けたのです。
    2018年の元旦、欧州から届いたニュースが大きく報道されました。
    「ローマ法王フランシスコが、長崎原爆投下の被害者の姿をとらえた1945年の写真をカードに印刷して配布するよう指示を出していることが1日までにわかった。カードの裏には、法王の要請により「戦争が生み出したもの」という言葉が記載されている。」CNN2015年、京都佛立ミュージアムは「終戦70年特別展示 トランクの中の日本 ~戦争、平和、そして仏教~」を開催。この企画展は大きな反響を呼び、縁あって、天正遣欧使節顕彰会がローマ法王へ送る品々の中に当企画展のリーフレットと冊子『トランクの中の日本』を入れてくださいました。元旦の法王の指示はこの時の御縁
    によるものかもしれません。
    いま、この写真の持つ力と影響力に再び光が当たっています。
    京都佛立ミュージアムは重ねて平和への祈りを込め、「トランクの中の日本 ~戦争、平和、そして仏教~」を開催いたします。
    オダネル氏の心の変遷を追体験しながら少年の写真の前にたたずみ、考えていただきたい。
    そして、宗教の違いを越えたところにある、仏教が放つ平和への希望を感じていただきたいと思います。

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