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TOPNEWS~イタリア サンマリノ共和国より・その6~長松館長FB
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  • ~イタリア サンマリノ共和国より・その6~長松館長FB

    ありがとうございます
     
    サンマリノ共和国の
    にっぽん祭も終わり
    館長は帰国前に
    バチカン市国へ
    向かわれました。
    下記   長松館長FBを
    掲載致します
    ーーーーーー
    7月2日
     
    今朝、サンマリノ共和国を後にして、一路バチカンを目指しました。
     
    荷物が多く、距離もあり、フライトは明日ボローニャ発で変更不可。
     
    とても悩みましたが、中村大使さまからお声をかけていただき、何としても今回このまま直接ご報告とお礼を申し上げなければならないと思い、今日中にサンマリノ共和国からバチカン、バチカンからボローニャへ移動することにしました。
     
    サンマリノからローマまでは車で4時間半。
     
    在バチカン日本国大使館の大使公邸にお伺いして、中村芳夫特命全権大使とご面談させていただきました。
     
    今回、在バチカン日本国大使館として、京都佛立ミュージアムの展示会、サンマリノ共和国での展示会にご後援をいただきました。
     
    お話をお伺いしながら、重ね重ね不思議なご縁をいただいていることを痛感いたしました。
     
    私たちは明日帰国いたしますが、中村大使さま御一行は、来週末にわざわざサンマリノ共和国まで展示を見るために訪問くださるのです。
     
    これほど大変なことはありません。
     
    主催者がいないなんて、申し訳ない限りですが、サンマリノ共和国の外務省や文化省がお迎えしてくださいます。
     
    本当に、ありがとうございます。
     
    今日、さらに不思議な巡り合わせをいただきました。
     
    京都佛立ミュージアムから報告のメールが届きました。
     
    バチカンに向かう車の中で読んでみると、来館者の方がお手紙と詩を持ってきてくださったとのこと。
     
    その詩を読んで、まさかそうなるとは思っていなかったのですが、車の中で泣いてしまいました。
     
    あの少年の写真について、彼に背負われている幼い弟の目線から、言葉を綴ってくださっていました。
     
    ローマまで4時間以上もありましたので、文字に起こしてみました。
     
    この詩を詠んでくださった方にも御礼のメールを送らせていただき、先ほど返信を頂戴いたしました。
     
    幼い兄弟に捧げた詩なので、あえて名前を載せずとも広くご披露してよろしいとご許可をいただきました。
     
    是非、お読みいただきたいと思います。
     
    =====
     
    おもかげ
     
    1.
    兄は私のなきがらを負ぶいひもに背負い
    一面のがれきの中を
    裸足の足のまま焼き場まで歩いてきた
     
    私のからだが火床に置かれ
    肉のかたまりが焼ける脂のはぜる音が
    兄の耳をするどくとらえたとき
    兄は私に向かい
    何かをこらえるように顔を上げ
    気をつけ の体勢で天に応えた
     
    あまりに小さな私のからだは一瞬に熔け
    あとかたもなく消え落ちた
     
    逃れられない災厄の連鎖が
    破壊と荒廃を繰り返しもたらし
    天地はただ
    たえ間ない絶望の堆積で形成されていた
     
    あの日
    骸となり灰となった私は
    焼き付けられた記録として
    そのおもかげを
    兄とともにこの世に残された
     
    2.
    にいさん
    ぼくたちは なぜ生まれてきたんだろう
    地獄を見るために 戦禍にまみれるために
    生まれてきたんじゃない
    にんげんとして生きるため
    自分らしく成長するため
    この世に生を受けたのです
     
    それでも ぼくはこのみじかい命脈が
    にいさんと共にあったことを誇りに思います
    その生涯が 悲惨で哀れであればあるほど
    にいさんの思いがぼくの中であふれます
    ぼくは にいさんのおとうとに生まれて
    ほんとうに しあわせでした
    あの一瞬に残されたぼくたちのおもかげが
    それを伝え 語るのです
    もう二度と誰にも消させない
    明日のいのちの 寄る辺となるのです
     
    ージョー・オダネル「トランクの中の日本」焼き場にて、長崎ー
     
    =====
     
    今回のサンマリノ共和国での開催は3年前の終戦70年記念展示から始まった不思議なご縁の結実でした。
     
    しかし、これはまだスタートに過ぎず、ここからまた何かが生まれ、始まろうとしています。
     
    ボローニャに向かう前、バチカンの、サン・ピエトロ大聖堂の広場で、松本現薫師と写真を撮りました。
     
    いま、ボローニャに向かっています。
     
    ローマからボローニャですと、フィレンツェを通過してしまって、車でやはり4時間ほどかかります。
     
    スッタニパータに載るブッダの言葉。
     
    「一切の生きとし生けるものは、幸福であれ、安穏であれ、安楽であれ。
     
    いかなる生物生類であっても、
    怯えているものでも強剛なものでも、
    悉く、長いものでも、大きいものでも、
    中ぐらいのものでも、短いものでも、
    微細なものでも、粗大なものでも、
    目に見えるものでも、見えないものでも、
    遠くに住むものでも、近くに住むものでも、
    すでに生まれたものでも、これから生まれようと欲するものでも、
    一切の生きとし生けるものは、幸せであれ」
     
    「願わくはこの功徳をもって普く一切に及ぼし、我らと衆生と皆ともに仏道を成ぜん。」妙法蓮華経
     
    “May this merit extend universally to all so that we together with all beings realise the Buddha Way.” by the Lotus Sutra
     
    私たちの展示会に送ってくださった詩を、今日、この車中で読ませていただいたことにも、偶然ではない必然を感じます。
     
    少年たちの霊前に、謹んで言上させていただき、重ねてご回向を続けたいと思います。
     
    あらゆる壁を超えて、世界の恒久平和、人類の意識の次元上昇を願って。
     
    南無妙法蓮華経ー。
     
    とりあえず、今回のミッションは完了いたしました。

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