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- 2018.08.11~おもかげ1・2~
暑さが少しましになったからでしょうか、
来館の方もいらっしゃりありがたい限りです。 夏休みを利用して親子でご来館くださる方もお見掛けします。小・ 中学生のみなさんもアンケートをしっかりと書いてくださり、 こちらが感動をいただいています。 8月6日、9日までになんとかと思っていた追加展示がなかなかできずにいま したがようやく展示することができました。以前、 京都佛立ミュージアム「トランクの中の日本~戦争、平和、 そして仏教~」 展にご来館くださった芦田さまから贈呈してくださった詩の展示で す。 この詩を拝見した長松館長やスタッフ一同は、焼き場に立つ少年と小さな弟に寄り添った、 心を打つ言葉に感動しました。 長松館長はじめミュージアム一同で話し合い、 展示させていただこうということになったのが、 7月後半か8月の会議、、、 バタバタしておりようやく展示させていただくことができました。 詩を声に出して読んだとき、自然と涙がこぼれたことを思い出します。 それほど兄弟の心情に寄り添った、 声やにおいを感じるような詩です。 ぜひ多くの方に見ていただきたいと思います。 大変申し訳ありませんが同ミュージアムは、8月13日は通常休館、14日~ 16日まではお盆お休みをいただいております。8月15日、 終戦記念日前は明日日曜日まで開館をしております。 ぜひ足を運んでいただければと思います。 おもかげ1.兄は私のなきがらを負ぶいひもに背負い一面のがれきの中を裸足の足のまま焼き場まで歩いてきた私のからだが火床に置かれ肉のかたまりが焼ける脂のはぜる音が兄の耳を鋭くとらえたとき兄は私に向かい何かをこらえるように顔を上げ気をつけ の体勢で天に応えたあまりに小さな私のからだは一瞬に熔けあとかたもなく消え落ちた逃れられない災厄の連鎖が破壊と荒廃を繰り返しもたらし天地はただたえ間ない絶望の堆積で形成されていたあの日骸となり灰となった私は焼き付けられた記録としてそのおもかげを兄とともにこの世に残された2.にいさんぼくたちは なぜ生まれてきたんだろう地獄を見るために 戦禍にまみれるために生まれてきたんじゃないにんげんとして生きるため自分らしく成長するためこの世に生を受けたのですそれでも ぼくはこのみじかい命脈がにいさんと共にあったことを誇りに思いますその生涯が 悲惨で哀れであればあるほどにいさんの思いがぼくの中であふれますぼくは にいさんのおとうとに生まれてほんとうに しあわせでしたあの一瞬に残されたぼくたちのおもかげがそれを伝え 語るのですもう二度と誰にも消させない明日のいのちの 寄る辺となるのですージョー・オダネル「トランクの中の日本」焼き場にて、長崎ー