法具
饕餮鼎形香炉
現在長松寺御宝前で使用されている香炉。饕餮(とうてつ)とは中国神話の怪物のこと。体は牛か羊で、曲がった角、虎の牙、人の爪、人の顔などを持つ。饕餮の「饕」は財産を貪る、「餮」は食物を貪るの意である。「何でも食べる猛獣」というイメージから転じて、「魔を喰らう」という考えが生まれ、後代には魔除けの意味を持つようになった。それが青銅器の修飾などに用いられたのである。また、鼎(かなえ、てい)とは三本足の鍋のこと。もともとは肉、魚、穀物を煮炊きする土器として出現したが、同時に宗廟において祖先神を祀る際にいけにえの肉を煮るために用いられたことから礼器の地位に高められた。